ニチハのパミール屋根の見分け方を徹底解説!正しい対処法も紹介
ニチハのパミール屋根の見分け方を徹底解説!正しい対処法も紹介
皆さん、ニチハのパミールという屋根をご存じでしょうか。パミールはアスベストを使用していない軽量なスレート屋根ですが、販売開始から数年後さまざまな劣化症状が多数報告されるようになりました。そこで自宅の屋根がパミールかどうか知りたい方もいるでしょう。
今回はニチハのパミール屋根の見分け方と正しい対処法について徹底的に解説していきます。
ニチハの屋根材「パミール」とは?
パミールとは大手建材メーカーのニチハが開発・販売したスレート屋根材のことです。パミールの販売期間は1996年から2008年までの13年間でしたが、当時アスベストが人体に悪影響を及ぼすことが分かり、アスベストを使用していないスレート屋根として大きな注目を浴びました。このパミールを販売してから数年後、様々な劣化症状が報告されるようになりました。具体的には屋根材の剥がれやズレ、落下といった劣化症状です。これらの劣化症状は、パミール特有の複層構造やアスベストの代わりに使用されたパルプ材が原因だと言われています。パルプ材は水分を吸収しやすいという特徴があります。水分を吸収した屋根材が膨張したり、乾燥することを繰り返すことで、何層にも重なった屋根材がポロポロとはがれるなど劣化症状が進むようになるのです。このようにパミールの耐久性の低さが露呈し、社会的にも大きな問題となりました。
パミール屋根の見分け方は?
一般住宅に使われる屋根材には多くのメーカーが様々な種類を開発しております。そのため、自宅の屋根に何の屋根材が使われているか分からないといった方も多くいるでしょう。
万が一、問題の多いパミール屋根が自宅に使われているのであれば早急に対処が必要になる場合もあります。
自宅の屋根にパミールが使われていないか不安、パミール屋根の見分け方について知りたいという方向けに、パミール屋根の見分け方についてわかりやすく紹介していきます。
建築時期を確認する
まずは自宅が建築された時期を確認しましょう。パミールが販売されていたのは1996年〜2008年の間です。そのため、この期間に家を建てた場合は注意が必要です。逆にこの時期とはズレていたらパミール屋根の可能性は低いでしょう。
図面や仕上げ表を確認する
家に建築の図面や仕上げ表が保存してある場合は、それを見て屋根材を確認する方法もあります。しかし、建築図面の仕上げ表や仕様書と実際に屋根で使われてる屋根材は違うこともあります。なぜそのようなことがあるのかというと、屋根材の重さが軽いか重いか、もしくは不燃材料が使用されてるかどうかの確認のために図面表記で屋根材が書かれているためです。そのため、屋根材が不燃材料でかつ重さが図面と大きく変わらなければ、どのメーカーの商品でも構わないという扱いになってることがあります。そうすると図面と実際に使われている屋根材の種類が違うということが起こりえます。
なので、自宅の図面や仕様書はあくまでも参考程度にとどめ、実際に自分で目で見て屋根材を判断できるようにしましょう。
確実に見分ける方法は目視
上記で紹介したように、自宅の建築時期を確認したり、家の図面を見る方法では確実にパミールかどうかを見分けることは困難です。そのため、パミール屋根の特徴を把握し、実際に目視で確認するほうが確実だといえます。
実際に販売されたパミールは3タイプ13種類です。その中で使用された多くはパミールAで、わずかにパミールSが使用されました。今回はパミールAの見分け方を解説していきます。
屋根の先端の5つの凸凹が等間隔
まず一つ目の、パミールの特徴は、屋根の先端部分に凸凹が五つ等間隔であることです。
屋根の先端とは屋根の斜面の下ってる方のことを指します。その部分に凸凹があるかどうか、またあるとしたら何個あるか確認しましょう。
表面のデザインが木目調
次に屋根材の表面のデザインがどのようになっているか確認しましょう、パミール屋根の場合は表面のデザインが木目のような縦線のあるデザインになっています。
劣化症状で見分ける方法
最後にパミール特有の劣化症状が出ていないかどうかを確認しましょう。パミール屋根では特徴的な劣化症状が見られます。その劣化症状で他の屋根材と見分けることが可能になります。パミール屋根の特徴的な劣化症状を以下4つ紹介します。
ミルフィーユのように剥がれる
屋根がミルフィーユ状に剥がれてくることはパミール屋根の特徴的な劣化症状です。この剥がれのことを、層間剥離とも呼びます。この層間剥離は特に屋根の先端や、横から剥がれてくる現象が多く見られます。これは、パミール屋根が複層構造になっていることや、パルプ材が使われることが原因と考えられています。ポロポロとミルフィーユ状に屋根が剥がれていないかどうかを確認しましょう。
屋根の先端に染みのような変色が見られる
屋根の先端が先端が白っぽく変色するのも、パミール屋根の劣化症状の一つです。これは上記で説明した層間剥離が起こる少し前の状態でよく見られます。この症状は劣化症状が始まったことを示すので注意が必要です。ただし黄砂や花粉が多く飛ぶ時期は他のスレート屋根でも同様に屋根が白っぽく見えることがあるので注意が必要です。
表面に「穴あき」症状
屋根の表面にクレーターのように穴があく症状もパミール屋根でよく見られます。屋根の表面の状態も目視で確認しましょう。
屋根材がズレている
最後に紹介するパミール屋根の劣化症状は屋根材のズレです。ニチハはパミール屋根の施工時に使われた釘のメッキ処理が不十分であったことを公表しています。メッキ処分処理が不十分であると釘が錆びやすくなったり、腐食しやすくなったりします。釘が劣化し腐食すると、屋根材がずれてきます。最悪の場合、落下するといったこともあるのです。
上記で紹介した4つの劣化症状は、パミール屋根特有の劣化症状です。しかし素人が目視で確認し、パミールだと判断することは難しいこともあります。自分でパミール屋根かどうか判断できない場合は、パミール屋根専門業者である当協会までご相談ください。
パミール屋根の正しいメンテナンス方法は?
パミール屋根には特徴的な劣化症状が見られることが分かりました。ではこのような劣化症状が見られた時、どのようにメンテナンスすれば良いのでしょうか。パミール屋根は劣化して表面がポロポロと剥がれてきてしまうため、塗装によるメンテナンスはできません。それ以外の方法でメンテナンスをする必要があります。以下、パミール屋根の正しいメンテナンス方法について詳しく解説していきます。
カバー工法
一つ目のメンテナンス方法は、カバー工法です。既存のパミール屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を設置する方法です。これは重ね張り工法と呼ばれることもあります。工期を短くできるというメリットがありますが、屋根全体の重さが重くなるため耐震性が低下し、さらに下地から新しくすることができないのでメリットは少なくなります。
葺き替え工法
パミール屋根の補修工事として、メインとなるのが葺き替え工法です。
このメンテナンス方法では、既存のパミール屋根をはがし、新しい屋根材を設置します。新しい屋根材を設置する時は、金属屋根を設置すると軽量かつ耐久性が高いので長持ちし、建物自体の負担も減らすことができます。また葺き替え工法では必要に応じて屋根の下地から新しくすることができます。屋根の下地まで痛んでいた場合は下地を交換することで、屋根全体が新築同様に新しくなるので安心感があります。ただし、デメリットとして工期が長くなってしまうことが挙げられます。
パミールは見た目や劣化症状で見分けられる。ただし屋根の目視は危険なので専門家に相談を
いかがだったでしょうか。今回は、パミール屋根の見分け方を紹介しました。パミール屋根を見分ける時には実際に目視でその形状や劣化症状が出ているかどうかを確認することが大事です。ただし、素人ではパミール屋根とその他の屋根を正しく判断することは難しいこともあるので、専門家に相談するといいでしょう。
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全日本屋根パミール診断士協会(JPC)はパミール屋根の専門業者なので、修理に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。
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