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2023-03-23

パミール屋根とは?見分け方や注意点・解決方法をご紹介

「パミール屋根をメンテナンスしたい」「自宅の屋根がパミール屋根かどうか知りたい」「パミール屋根の見分け方は?」とお困りの方はいませんか。パミールはニチハ株式会社が製造・販売していた屋根材です。現在は廃盤となっていますが、不具合の多い屋根材でした。現在パミール屋根の家にお住まいで修理をお考えの方も多いと思います。今回はパミール屋根とは何か詳しく解説しました!パミール屋根を見分ける方法や解決方法についても分かりやすく紹介します。ぜひ最後までお読みいただき参考にしてください。

パミール屋根とは

パミール屋根とはニチハ株式会社が製造・販売していたノンアスベストのスレート屋根です。1996年から約12年販売していましたが、現在は廃盤になっています。施工後に数多くの不具合が報告され、経年劣化が著しいことで問題になりました。

パミール屋根の歴史

2000年前後はアスベストを含むスレート屋根が一般的でした。アスベストは耐久性が高く、屋根材に適していたからです。しかしアスベストの健康被害が報告されると、屋根材もアスベストの使用が禁止されるようになりました。そこでノンアスベストのスレート屋根としてパミールを販売したのです。当初はノンアスベストの屋根材に期待が寄せられましたが、施工後わずか数年で不具合が発見されました。製品開発にかける時間が不十分だったことや、ノンアスベスト製品の耐久性の弱さが原因だと言われています。パミール屋根の劣化を放置しておくと、雨漏りに繋がるだけでなく、屋根材が落下する可能性もあり大変危険です。

パミール屋根の何が問題・不具合があるのか

ではパミール屋根にはどんな問題があるのでしょうか。ノンアスベストのパミール屋根は一般的な屋根と比べて耐久性が低いです。経年劣化はどんな屋根でも起こりますが、パミール屋根ならではの不具合が多くありました。パミール屋根の問題点を三つ紹介します。

釘の腐食が起きてしまう

まず「釘の腐食」が見られます。パミール屋根で使用していた釘にはメッキ処理が不十分なものがあり、腐食しやすいです。釘頭が錆びると屋根材がきちんと固定できず、落下する危険性があります。

屋根材がズレる・脱落する

釘の腐食による「屋根材のズレ・脱落」が発生した事例があります。屋根材のズレが悪化すると、屋根がそのまま脱落してしまいます。屋根が道路や庭に落下してしまうと大変危険です。屋根材一つでも物品を破壊する恐れがあり、人に当たれば大事故に繋がるでしょう。まずは屋根材のズレがないか点検し、早急に対処しなければなりません。塗装では解決できないため屋根工事が必要です。

剥離し始め、弱くなった部分が崩れはずめる

また「屋根の剥離・崩れ」はパミール屋根特有の劣化症状です。パミール屋根が劣化すると、わずか数年で一枚一枚パラパラと剥がれてきてしまいます。この症状を層状剥離(そうじょうはくり)と言い、目で見て分かる特徴です。塗装しても剥がれてしまうため、適切な処置が求められます。

パミール屋根の見分け方

パミール屋根を見分ける方法は主に二つあります。一つは「屋根の先端の形」です。パミール屋根は先端が凹凸のあるデザインになっています。凹凸が同じ幅なのはパミール屋根の特徴です。二つ目は「パミールの文字」です。屋根材をずらすと「ニチハ パミール」の文字があります。これらの特徴からパミール屋根だと判別可能です。

パミール屋根の注意点は塗装をしないこと

パミール屋根で注意してほしいのは塗装しないことです。パミール屋根は釘の腐食による屋根材のズレや層状剥離が発生していました。このような劣化症状は塗装しても、屋根材ごと剥がれ落ちてしまいます。劣化した屋根は塗装では改善しないため、適切な処置が必要です。

パミール屋根の解決策とは

ではパミール屋根の解決策は何でしょうか。パミール屋根の工事には「屋根カバー工法」と「屋根葺き替え工事」があります。それぞれ工程や目的、費用が異なるので、具体的に違いを説明します。屋根工事の際はどちらか適切な方法を選んでください。

屋根カバー工法

屋根カバー工法は既存の屋根の上に、新しい屋根材を敷く方法です。パミール屋根を撤去せずに、そのまま上から新しい屋根材を被せます。撤去費用や処分費用が節約できるため、工事費を安く抑えられます。ただし劣化が著しく進行し、層状剥離が発生している場合、カバー工法はできません。

屋根葺き替え工事

屋根葺き替え工事は古い屋根材を撤去し、新しい屋根材を葺き直す方法です。パミール屋根の劣化が進行している場合、撤去する必要があります。葺き替え工事は撤去費用と処分費用がかかるので、屋根カバー工法と比べると費用は高めです。カバー工法と葺き替えのどちらが適切か判断するために、専門業者に点検を依頼すると良いでしょう。

パミール屋根は早めの対策が必要です

いかがだったでしょうか。今回はパミール屋根の特徴と解決方法について解説しました。パミールはノンアスベストのスレート屋根です。劣化しやすい屋根材であり、施工後に不具合がいくつも発見されました。劣化症状に「釘の腐食」「屋根材のズレ」「層状剥離」が見られ、塗装では解決できません。屋根の劣化を放置すると事故に繋がる危険性もあるので、適切な処置が必要です。対処法には既存の屋根の上に新しい屋根を敷く「カバー工法」や、古い屋根を撤去して新しく葺き直す「葺き替え工事」があります。まずは一度屋根の状態を点検してから、適切な方法を選びましょう。
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全日本屋根パミール診断士協会(JPC)はパミール屋根の専門業者なので、修理に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。
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