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2023-03-23

塗装は絶対NG!塗装できない9つの屋根材と正しい対処法をご紹介

「塗装できない屋根材は?」「塗装で屋根は修復できる?」「自宅の屋根のメンテナンス方法を知りたい」とお悩みの方はいませんか?実は屋根材によって塗装できる屋根と塗装できない屋根があります。自宅の屋根が塗装できる屋根材かどうか気になりますよね。今回は塗装できない9つの屋根材を詳しく解説しました!正しい対処法と費用を抑えるためのポイントも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

塗装できない&おすすめできない屋根材9選

塗装できない、もしくは塗装を勧められない屋根材はどんなものがあるでしょうか。塗装できない屋根材の多くは2000年前後に販売された屋根材です。当時はアスベストによる健康被害が数多く報告され、社会問題になっていました。アスベストは屋根材にも含まれており、2000年以降はノンアスベストの屋根材が注目されました。しかしノンアスベストの屋根材は耐久性に問題があり、現在は塗装できない屋根材として知られているものが多くあります。今回はその代表例を9つ紹介します。

塗装できない屋根材:ニチハのパミール

塗装できない屋根材で有名なのが、ニチハ株式会社の「パミール」です。パミール屋根は1996年から2008年に製造・販売されました。大手の住宅メーカーが販売していたこともあり、現在もパミール屋根の家は多いです。しかしパミールは経年劣化が酷く、耐久性に問題がありました。とくに屋根材がパリパリと剥がれてしまう層状剥離(そうじょうはくり)はパミール特有の症状です。見栄えが悪いだけでなく雨漏りにも繋がります。塗装しても剥がれてしまうため、パミール屋根には塗装できません。

塗装できない屋根材:クボタのコロニアルNEO

次に塗装できない屋根材として知られているのは、クボタ株式会社の「コロニアルNEO」です。2001年に製造された屋根材で、現在は製造していません。こちらも劣化症状が著しく、主にひび割れや崩れといった症状が現れます。また大きく欠けたり、屋根の色が変色したりすることもあります。約10年ほどで劣化してしまうので、悪化する前に屋根の状態を点検すると良いでしょう。

塗装できない屋根材:松下電工(現:ケイミュー)のレサス

松下電工の「レサス」は1999年から2006年に製造されました。レサスはひび割れや欠損のような劣化症状のほか、強度が低いことも問題です。また雨水が侵入しやすい素材であり、雨漏りの危険性もあります。点検する際に屋根の上を歩いたら、屋根材が割れてしまったケースもありました。割れた破片が落下すると大変危険なので、早急に対処しなければなりません。

塗装できない屋根材:松下電工(現:ケイミュー)のシルバス

松下電工の「シルバス」は2001年から2003年に製造されました。販売期間の短さからも、不具合が多くあったことが分かります。シルバスもレサス同様に、ひび割れや欠損の劣化症状が見られました。大きなスリットのデザインが特徴で、割れやすい屋根材です。こちらも放置しておくと事故に繋がる危険性があるため、早めの対処が必要です。

塗装はおすすめできない屋根材:クボタのアーバニーグラッサ

クボタの「アーバニーグラッサ」は2001年から2005年に製造されました。ひび割れや欠損の劣化症状が見られるため、塗装はおすすめできません。大きな切り込みが入ったデザインは強度が低く、劣化症状が著しいです。補修作業や部分的な差し替え工事も難しいでしょう。

塗装はおすすめできない屋根材:クボタのザルフグラッサ

クボタの「ザルフグラッサ」は2001年から2005年に製造されました。ザルフグラッサは劣化するとひび割れや反り上がりが発生します。さらに劣化が進行するとパミール屋根のような層状剥離が見られます。層状剥離は屋根材が剥がれ落ちてしまうため、塗装はおすすめできません。

塗装はおすすめできない屋根材:クボタ松下(現ケイミュー)のエコシンプル

クボタ松下の「エコシンプル」は2003年から2006年に製造されました。エコシンプルも強度が低く、劣化するとひび割れが発生しやすいです。屋根材は数年で剥がれることもあり、雨水を吸収しやすくなります。その後は急速に劣化が進行するので、カビや汚れも目立ちます。

塗装はおすすめできない屋根材:セキスイルーフテック(現:積水屋根システム株式会社)/セキスイ瓦U

またノンアスベストの瓦屋根も塗装はおすすめできません、セキスイルーフテックの「セキスイ瓦U」は2007年に廃盤になりました。セキスイ瓦Uのノンアスベストタイプは劣化症状が著しく、塗膜の剥がれ・ひび割れ等が多く発生していました。屋根材はかなり脆く、屋根を歩くと割れてしまうほどです。広範囲に塗膜が剥がれることもあり、「塗装NG」にしている会社もあります。

塗装はおすすめできない屋根材:大建工業のナチュール

大建工業の「ナチュール」も1989年に製造され、廃盤になった屋根材です。ナチュールはアスベストを全く使用していません。あまり普及していない屋根材ですが、ひび割れが多く見られます。
(製造年参考:※1 大建

他の屋根でも塗装できない場合もある?

塗装できない屋根材は上記の9種類だけではありません。あまりにも劣化症状が進行していると、塗装できない場合があります。たとえばパミール屋根のような層状剥離は剥がれてしまうため、上から塗装しても改善しません。また屋根材の傷みが下地にまで影響していると、雨漏りが発生していることもあり塗装では解決できないでしょう。

塗装できない屋根の部分補修(差し替え)はできる?

では塗装できない場合、差し替えで対処できるのでしょうか。劣化した部分だけ補修すれば、費用も安く抑えられそうですよね。しかし劣化した屋根材の対処法としては、あまりおすすめできません。

屋根の差し替えとは?

「屋根の差し替え」とは劣化した屋根材を交換する工事を指します。部分的な補修をする場合、差し替えが可能です。しかし塗装できない屋根材は廃盤しているものが多く、代用しなければなりません。その他にも差し替え工事をおすすめできない点がいくつかあります。

塗装できない屋根の差し替えがお勧めできない理由は?

まず「劣化した屋根材を差し替えで対処するのは難しい」からです。劣化した屋根材のみ差し替えても、残りの屋根材も劣化する可能性があります。塗装できない屋根はそもそも劣化しやすいです。年数が経つと破損が見られるため、その度に差し替えで対処すると余計に費用がかかってしまいます。次に「差し替えで屋根材の劣化がさらに進行する」からです。スレートやカラーベストのコロニアル屋根は工具を使用して差し替え作業をします。既存の屋根材を抜き取ると他の屋根材にも衝撃がかかるため、屋根材が劣化する危険性があります。塗装できない屋根は脆く、割れやすいです。屋根の耐久性を考えても差し替え工事はあまりおすすめできないでしょう。

塗装できない屋根の正しいメンテナンス方法は?

塗装できない屋根のメンテナンス方法は「カバー工法」か「葺き替え」の二種類があります。まずはカバー工法と葺き替えの違いを工程や費用面から解説します。屋根の状態から判断して、どちらか適切な方を選んでください。

コスパ重視ならカバー工法

カバー工法は費用を安く抑えられるメリットがあります。カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を設置する方法です。古い屋根材を撤去せずに工事するため、撤去費用がかかりません。また屋根材を廃棄する必要もないので、費用と時間の節約になります。カバー工法の費用はおよそ80〜150万円ほどです。しかし屋根の劣化が著しく進行しているとカバー工法はできません。雨漏りしている・屋根の下地が傷んでいる場合、既存の屋根を撤去しなければならないからです。

劣化が激しい・雨漏りしている場合は葺き替え

屋根がひどく劣化している場合、葺き替えが適用されます。葺き替えは劣化した屋根を撤去して、新しい屋根を設置する工事です。屋根の下地の補修・交換もするので、カバー工事と比べると費用はやや高めになります。工事費用はおよそ100〜200万円ほどです。カバー工法と葺き替えのどちらが適しているか、屋根の状態から見極めなければなりません。気になる方はまず点検を依頼してみてください。

工事にかかる費用を抑えたい場合はどうする?

屋根工事は塗装するよりも大がかりな工事です。葺き替え工事となると、屋根一面を撤去したあと張り替えなければなりません。しかし劣化した屋根を放置してしまうと屋根材が落下する恐れもあり、大変危険です。もし費用を抑えたい場合は外壁塗装を同時に行うのも良いでしょう。屋根材が経年劣化するように、外壁も時間が経つと塗装が剥がれやすくなります。将来、外壁工事を考えているなら屋根工事と同時に行うと足場設置の費用を節約できます。屋根工事の際は外壁塗装も検討してみてください。

塗装できない屋根はしっかり点検してもらい正しいメンテナンスを行おう

いかがだったでしょうか。今回は塗装できない屋根材と対処法について解説しました。2000年前後に販売されたノンアスベストの屋根材は劣化が激しく、塗装できないものが多くあります。たとえばニチハ株式会社が製造したパミール屋根は劣化すると一枚一枚剥がれてしまいます。耐久性が弱く、塗装では改善できないため屋根工事をしなければなりません。屋根工事にはカバー工法と葺き替えの二種類があります。屋根の状態に応じてカバー工法、葺き替えのどちらかを選ぶと良いでしょう。まずは専門業者に点検を依頼し、適切な対処法を見極めることが大切です。

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