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2023-01-19

ニチハのパミールは剥がれる屋根材?剥がれた場合の対処法とは?

ニチハのパミールは剥がれる屋根材?剥がれた場合の対処法とは?

皆さんパミールという屋根材をご存知でしょうか。屋根材の中には施工から10年ほど経つとミルフィーユ状にポロポロと剥がれ落ちてくるものがあります。そのような症状が見られる屋根はパミールの可能性があります。自分の家の屋根がパミールの方は、「屋根がどのように剥がれてくるのだろうか」、「剥がれてきたとき、どのように対処すればいいのだろうか」といったことが気になる方もいるでしょう。
今回はニチハのパミールの「剥がれ」について、そして剥がれた場合の正しい対処法を詳しく解説していきます。

ミルフィーユのようにパリパリと剥がれる屋根材「パミール」とは?

パミールとは、ニチハ株式会社が製造し販売までしていた屋根材のことです。パミールはノンアスベストのスレート屋根材の一つでアスベストを使用しない代わりにパルプ繊維が使用されています。ニチハはアスベストの使用が禁止されたのをうけ、ノンアスベストの屋根材の開発に力をいれ、パミールを1996年から2008年までの13年間にわたって大々的に販売しました。
このパミール屋根は施工後10年ほどで剥がれてくる、ズレる、落下するという劣化症状が多く報告され、大きな社会問題となりました。
2023年現在、パミール販売時に新築を購入した方であれば既に27年、パミールの販売終了間際に家を建てた方であれば15年前後経過していることになります。
一般的なスレート屋根であれば、施工後、20年から25年以上はメンテナンスが不要な場合もあります。しかしパミールの場合は一般的なスレート屋根とは違います。劣化症状が見られている場合はそれよりも早めの周期でメンテナンスが必要となります。

パミール屋根の「剥がれ」とはどんな状態?

自宅の屋根が、パミールの場合、剥がれが発生しているかどうか気になる方もいるでしょう。自宅のパミールの状態を把握するためにはパミールに「剥がれ」が発生するとどのようになってしまうのか知っておく必要があります。ここではパミールの剥がれやその他の劣化症状について詳しく紹介していきます。

パミールの剥がれた状態とは以下のことを指します。
・屋根の下の方先端を中心に剥離が始まっている
・剥離が左右に広がり、ミルフィーユ状に何層にもわたって剥がれる
・剥離して弱くなった部分が崩れてくる

また剥がれていなくても、以下のような劣化症状が見られることもあります。
・屋根材の先端部分が白く変色している
・屋根材の裏側に湿気が溜まり、それが固定している釘に悪影響を与えている
・屋根材がずれている
・屋根材の一部が落下している

このような症状が見られたら、パミール屋根が劣化していることを表しています。とくに屋根の落下は人やモノに大きな損害をもたらす可能性もありますので、専門業者に相談するなどの早めの対応が必要となります。

剥がれの発生しているパミールに塗装をしてはいけない理由

一般的な屋根材であれば塗り替えることでメンテナンスができます。屋根塗装には外観を良くするだけでなく、防水性などの機能性を向上させ建物を守る面もあるからです。しかし、パミール屋根の場合は塗装(塗り替え)をすることでメンテナンスすることはできません。なぜなら、パミール屋根には層状剥離という劣化症状が見られるからです。層状剥離とは先程紹介した、パミール屋根の剥がれのことを指します。パミール屋根は屋根材自体が表面もしくは先端部分からぱりぱりと剥がれてくるため、上から塗装しても意味がなくなってしまうのです。

劣化したパミール屋根に塗装をしたらどうなるのか?

パミール屋根には塗装ができないと紹介しましたが、実際に塗装してしまった場合はどのようなことが起こるのでしょうか。パミール屋根に塗装を行った場合、何が起こるのかについて紹介します。

屋根自体が剥がれてくる

パミール屋根に塗装した場合、屋根自体が剥がれて浮いてきます。そのためせっかく塗装したのに意味がなく、結局カバー工事や葺き替え工事などが必要になってしまいます。メンテナンス費用が無駄になるので塗装は避けましょう。

屋根が割れることも

パミールに塗装した後に、屋根にヒビがはいって割れてしまうことがあります。本来、屋根塗装を行うと、塗料の効果によって建物や屋根材を保護することができます。しかし塗装した後にパミール屋根にヒビがはいったり、割れたりしてしまうと雨水が中に入ってきます。そうすると塗装しても建物や屋根を保護することができず、塗装の効果がなくなってしまいます。

パミールに塗装をおすすめされたら?

業者の中には「高圧洗浄を十分にすれば大丈夫」、「劣化が少ないうちに塗装すれば剥がれない」と言ってくる方もいます。そのような業者はパミールに対する知識が足りずにそう言っている可能性もあります。
パミール屋根に高圧洗浄をしっかりすると逆に、屋根がボロボロと剥がれてくることがあります。また劣化が少ないうちに塗ったとしても、やがて剥がれてくるので全く意味がありません。
パミール屋根に対して塗装を勧められることがあっても、塗装工事は行わないようにしましょう。

剥がれの発生しているパミール屋根の正しいメンテナンス方法は?

上記で説明したように塗り替えできないパミール屋根はどのようにメンテナンスすればいいのでしょうか。ここでは正しい対処法について詳しく解説していきます。

選択肢はカバー工法か葺き替え

通常の屋根の場合は塗装、カバー工法、葺き替えという3種類のメンテナンス方法から選ぶことができます。しかしパミール屋根の場合はカバー工法か葺き替えの2種類に限られてしまいます。その2種類とはパミール屋根の上から新しい屋根材を重ねて設置する「カバー工法」と既存のパミール屋根を解体・撤去して新しい屋根を設置する「葺き替え工法」です。それぞれの特徴を以下説明していきます。

コストを抑えたいならカバー工法

カバー工法とは既存のパミールの上から新しい屋根を設置する工事です。既存のパミール屋根を撤去する費用や手間がかからないので、その分リフォーム費用を抑え、工期を短くすることができます。コストパフォーマンスが高いという理由で人気のあるカバー工法ですが、劣化症状によっては下地から新しくする必要があるため、カバー工法が行えない場合もあります。またカバー工法を行うと屋根自体の重さが重くなります。屋根が重くなると建物に負担がかかるので耐震性が下がってしまいます。劣化が進んでいる場合や耐震性の懸念がある場合は、次に説明する葺き替え工事を行う必要があります。

雨漏りや下地の傷みがあるなら葺き替え

葺き替え工事とは、既存のパミール屋根を解体・撤去して新しい屋根材を設置する工事のことです。カバー工法とは違って、屋根の下にある傷んだ下地まで交換もしくは補修することができるので、傷んでいる箇所から丸ごとリフォームできて安心感があります。屋根を新築時同様に新しくしたい場合や劣化や傷みがひどい場合、もしくはすでに雨漏りがある場合はカバー工法ではなく、葺き替え工事でメンテナンスをしましょう。葺き替えの場合は耐久性の高く、軽量な金属屋根にするのがおすすめです。耐久性が高いのでメンテナンス周期を伸ばせるだけでなく、耐震性も向上させることができます。新しい屋根材については今後のメンテナンスプランまで含めて業者と相談しながら決めるといいでしょう。

パミール屋根の工事は経験豊富な専門業者に依頼をしよう

業者のなかにはパミール屋根に関する知識が十分になく、塗装工事を提案してくる方もいます。また塗装工事を専門的に施工しているために塗装しようとする業者もいます。このような業者に任せて塗装してしまうとリフォーム費用も時間も無駄になってしまいます。パミール屋根に関するメンテナンスはパミール屋根に関する施工が経験豊富な専門業者に相談をするようにしましょう。

パミール屋根は塗装をしても剥がれてしまう屋根材。塗装を進める業者には注意しよう

いかがだったでしょうか。今回は、パミール屋根の「剥がれ」と剥がれた場合の正しい対処法について解説しました。パミール屋根に塗装を行っても意味がなく、リフォームにかけた費用と時間が無駄になってしまいます。そのため、パミール屋根にも関わらず塗装を提案する業者には注意が必要です。
自宅の屋根がパミール屋根だった場合やパミール屋根かどうかわからない場合はパミール屋根に関する経験が豊富な専門業者に相談をするようにしましょう。
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全日本屋根パミール診断士協会(JPC)はパミール屋根の専門業者なので、修理に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。
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