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2023-02-13

ニチハのパミールで「葺き替え」が必要なケースを徹底解説します!

ニチハのパミールで「葺き替え」が必要なケースを徹底解説します!

葺き替え工事とは、既存の屋根を撤去し、新しい屋根を設置する工事のことです。パミール屋根のメンテナンスを検討した際、業者から「このパミール屋根には葺き替え工事が必要だ」と提案されることもあります。
「葺き替え工事って何?」
「塗装でメンテナンスはできないの?」
「本当に葺き替え工事が必要なの?」
と疑問を持つ方もいるでしょう。そこで今回はパミール屋根の葺き替え工事について分かりやすく解説していきます。
パミール屋根は塗装できないため、カバー工法もしくは葺き替え工事のどちらかで修理を行う必要があります。葺き替えのメリットやデメリットについて説明していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。

問題の多い屋根「パミール」とは

パミールとはニチハ株式会社が販売していた屋根材の一つです。販売期間は1996年から2008年になります。その後のパミールの製造販売は中止されています。
パミールは施工後十数年で表面がはがれたり、屋根材がずれる、落下するなどといった様々な劣化症状が見られます。多くの不具合が報告され、問題が多い屋根材として認識されています。

パミール屋根は塗装できない!

通常、一般的なスレート屋根であれば塗装する事で長持ちさせることができます。小さなひび割れや色褪せ、コケといった劣化症状であれば塗り替えることで改善できるからです。また塗膜が新しくなることにより、防水性も回復します。
しかし、パミール屋根の場合は上記のような塗り替えによる効果は期待できません。その理由は、パミール屋根の特徴的な劣化症状にあります。パミール屋根は劣化すると屋根材自体が表面からポロポロと剥がれてきてしまうため、塗装の効果がなくなってしまうのです。

パミール屋根を葺き替えるメリット・デメリットを解説

上記で説明したように塗装ができないパミール屋根を補修する場合は、葺き替えかカバー工法のいずれかを選択することになります。
葺き替え工事とは、既存のパミール屋根を撤去し、新しい屋根を設置する工事のことです。次にこの葺き替え工事のメリットとデメリットを解説していきます。

パミール屋根を葺き替えるメリット

パミール屋根に葺き替えるメリットは、
・屋根を軽くできること
・下地を新しくできること
・安心感があること
が挙げられます。それぞれについて詳しく説明します。

屋根を軽くできる

葺き替え工事の大きなメリットは、屋根を軽くできることです。カバー工法の場合、既にある屋根の上に新しく屋根材を重ねて設置するため、屋根が全体的に重くなってしまいます。屋根の重さは家全体にかかってくるので、建物の負担が大きくなり、耐震性が低下する恐れもあります。軽量な金属屋根に葺き替えできればパミール屋根よりも軽くできるので、家にかかる負担も軽減できます。

下地を新しくできる

二つ目の葺き替えのメリットは、下地から新しくできることです。
既存のパミール屋根の下には下地があります。その下地まで劣化している場合、補修もしくは交換が必要になります。しかしカバー工法の場合は下地まで点検し、交換することはできません。パミール屋根が劣化している場合は、下地まで劣化が進んでいることもあります。屋根の中まで点検し、下地から完全に新しくしたい場合は葺き替え工事がオススメです。

安心感がある

カバー工法の場合は劣化したパミール屋根をそのままにして上から新しい屋根を設置します。上から新しい屋根を設置するとはいえ劣化した屋根材をそのままにしておくことに対して不安を感じる方もいるでしょう。
新築同様に屋根全体を新しくしたい場合は葺き替え工事がおすすめです。下地からも新しくできるのでカバー工法よりも安心感があります。

パミール屋根を葺き替えるデメリット

このように様々なメリットがある吹き替えですが、デメリットもあります。具体的にどのようなデメリットがあるのかも確認してから工事を進めるようにしましょう。葺き替え工事のデメリットには以下の3つがあげられます。

費用はカバー工法よりも高い

置き換えの一つ目のデメリットは費用がカバー工法よりも高くなることです。具体的には20万円から30万円ほど金額が高くなることが多いです。これはカバー工法の場合、パミールの撤去や処分、下地の交換や補修といった工程も必要になるからです。これらにかかる資材代、人件費がカバー工法よりも高くなるため、工事全体にかかる費用も必然的に上がります。

家に負担がかかる場合も

吹き替えの場合、工事する際に家に負担がかかってしまう場合もあります。
葺き替えでパミール屋根や下地を剥がす際に垂木にまで影響を及ぼすことがあるのです。
垂木とは屋根の斜面に沿って縦方向に取り付けてある木材のことで、屋根材を支える重要な役割があります。
この垂木に負担がかかってしまうことがあるので、屋根の改修に手を加えすぎると、逆にリスクとなってしまいます。

工期が長い

葺き替えはカバー工法に比べると工程が多くなるのでその分工期も長くなる傾向があります。具体的にはカバー工法よりも4~5日程度長くなることが多いです。
屋根工事をなるべく早く済ませたいという方には葺き替えはおすすめできません。しかし、葺き替えで耐久性の高い金属屋根にすれば、メンテナンスサイクルが長くなります。一度の工事に時間がかかっても、その後しばらくはメンテナンスの心配が必要なくなるので、工期が長くなってもメリットは大きいと考えられます。

パミール屋根を葺き替えたほうがいいケースは?

パミール屋根のメンテナンス方法には葺き替えとカバー工法の二つがあるのありますが、どちらがいいか悩むことも多いと思います。パミール屋根に葺き替えをした方がいいかどうかはその時の状況によって異なります。パミール屋根を葺き替えした方がいいケースについて詳しく解説していきますので、自宅のパミール屋根の状態と照らし合わせて確認してみてください。

雨漏りしている、または雨漏りが心配な場合

雨漏りしている、もしくは雨漏りが心配な場合は葺き替えがおすすめです。既に雨漏りしている場合は、パミールが激しく劣化しているということが考えられます。そのような状態を放置すると、家の構造にまで悪影響を及ぼす危険があります。
カバー工法では、雨漏りなどで傷んだ下地から補修することはできません。また雨漏りしている湿気を含んだパミール屋根をそのままにして、その上から蓋をするように新しい屋根を設置すると状態が悪化する恐れもあります。
雨漏りしていたり、雨漏りしそうで心配な場合は葺き替え工事を行い、下地から新しい屋根にしましょう。

今後も長くその家に住む場合

今後もその家に長く住む予定の場合も葺き替え工事がオススメです。
新築でパミール屋根にした方であれば、パミール屋根のメンテナンスを検討する時期は築20年ほどになるでしょう。
築20年前後であれば、その後まだまだ長くその家に住むことができます。見た目はそこまで劣化症状が見えなくても、パミール屋根の場合見えないところで劣化が進んでいることもあります。これからもその家で長く住む予定の場合はなるべく不安要素をなくした方が安心です。パミール屋根のメンテナンスを機会に葺き替えを行ない屋根全体を一新するというのもいいでしょう。一度葺き替え工事をしておけば、通常はその後長く問題なく暮らせます。

パミールを葺き替える場合の注意点

ではいざパミールを葺き替えするとなった場合は、どのようなことに注意すればいいでしょうか。パミールを葺き替える場合に注意すべき点を具体的に解説します。

野地板は新しいものに交換する

下地となる野地板は新しいものに交換するといいでしょう。葺き替え工事では、野地板を新しいものに交換せず、点検して補修するだけということも可能です。しかし、野地板にも耐用年数があります。これを機に新しくすることで、その後長く屋根を使えるようにしましょう。

下葺き材は高品質な素材を選ぶ

下葺き材とは、屋根本体の下に敷く防水シートのことを指します。この下葺き材は雨漏りを防ぐ重要な役割をしています。この下葺き材にまでこだわる方は少ないかもしれません。しかし下葺き材はコストパフォーマンスに非常に優れており、グレードの高いものにすれば耐久性が大きく向上します。高品質なものを選び、より家を長持ちさせられるようにしましょう。

パミールの葺き替えに適した屋根材は?

パミールの葺き替えの際、どのような屋根材を使うのが良いのか迷う方もいるでしょう。ここではパミールの葺き替えに適した屋根材を解説していきます。

迷ったらガルバリウム鋼板

最もおすすめなのがガルバリウム鋼板です。ガルバリウム鋼板とは金属屋根の1種で、サビや腐食に強い金属が使われています。屋根のリフォームでは最も多く選ばれている人気の種類であり、シンプルな見た目が好きな方にもオススメです。

高性能を求めるならジンカリウム鋼板

屋根材にこだわりたいという方には、ジンカリウム鋼板がオススメです。ジンカリウム鋼板は価格が少し高めになりますが、金属屋根の表面に石粒コーティングがされており、より高性能な屋根材になっています。
ジンカリウム鋼板には様々な呼び方があり、「石粒付鋼板」、「自然石粒付き鋼板」などと呼ばれることもあります。どれも同じものを指しているので注意しましょう。

軽さを求めるならアスファルトシングル

屋根材は軽ければ軽いほど、建物全体への負担も軽減できます。耐震性への影響も考慮し、より軽い屋根を求めるなら、アスファルトシングルがオススメです。アスファルトシングルはシート状の屋根材です。柔軟性のあるシートに石材の砂つぶやアスファルトなどを圧着させてつくられています。アスファルトシングルは金属屋根よりもさらに軽量な屋根となっており、見た目を洋風にできるのも特徴です。

パミールの葺き替え費用相場は?

最後にパミールの葺き替えにかかる費用の相場について解説していきます。葺き替えは新しく取り付ける屋根材によって費用の相場も変わります。2階建ての戸建てで屋根面積が80㎡の場合の費用相場は以下のようになります。目安として参考にしてみてください。
・スレート屋根・・・90~130万円
・ガルバリウム鋼板・・・100~180万円
・ジンカリウム鋼板・・・120~200万円
・アスファルトシングル・・・90~150万円
実際は屋根の形状や使う資材によっても変わります。

パミール屋根の葺き替えのメリットデメリットを解説しました

いかがだったでしょうか。今回はパミール屋根の葺き替えのメリットデメリットを解説しました。パミール屋根の場合、塗装ができないので、葺き替えもしくはカバー工法のどちらかを選ぶ必要があります。雨漏りしている場合やその後長く住む場合には葺き替えするといいでしょう。また葺き替えする際におすすめの屋根材にはガルバリウム鋼板やアスファルトシングル、ジンカリウム鋼板などがあげられます。自宅の屋根の状況に合わせて適切なメンテナンスを行うようにしましょう。

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全日本屋根パミール診断士協会(JPC)はパミール屋根の専門業者なので、修理に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。
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