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2023-02-16

【ニチハ屋根材】パミールの問題と正しいリフォーム方法を徹底解説!

【ニチハ屋根材】パミールの問題と正しいリフォーム方法を徹底解説!

「パミール屋根って何が問題なの?」「パミール屋根の対処法が知りたい」「そもそもパミール屋根ってどんな屋根?」と気になる方はいませんか。パミール屋根はニチハ株式会社が製造・販売していた屋根材です。施工後数年で屋根材がパリパリと剥がれ落ちたり、屋根材が落ちたりすることがありました。今回はそんなパミール屋根の問題と正しいリフォーム方法を徹底的に解説します!ぜひ最後までお読みいただき、対処法の参考にしてみてください。

ニチハ屋根材「パミール」とは?

パミールとはニチハ株式会社が1996年から2008年にかけて製造・販売した屋根材です。現在は販売中止となっています。パミールはスレート屋根に分類され、大手の外壁メーカーが販売したことで注目されました。しかし施工後数年経ってから数々の問題点が指摘され、他の屋根材と比べても劣化が激しいのが特徴です。ではなぜこのような屋根材が生まれたのでしょうか。

ニチハの「パミール問題」は時代背景とも関係があった

パミールの販売には当時の時代背景が関係しています。パミールは元々ノンアスベストの屋根材として注目されていました。アスベストは屋根材にも多く含まれていましたが、健康被害が報告されて以来、アスベストの使用や販売が全面的に禁止されました。その際にアスベストに代わる新たな屋根材としてパミールが普及したのです。

ニチハのパミール屋根で起こった代表的な2つの問題とは?

アスベストは人体への影響を除けば、屋根材に適した素材でした。しかしパミールは経年劣化が著しく、問題の多い屋根材だと判明します。これにはパミールの長期検証が不十分だったことや、製品開発が十分に行われなかったことが影響しています。アスベストが規制されてから代替品が生まれるまでの期間が短く、結果的に不具合の多い製品になってしまいました。またニチハ株式会社は業界大手であり、普及しやすかったことを考えると、現在パミール屋根でリフォームを検討している人が多くいることが予想されます。では具体的にどのような劣化症状が出ているのでしょうか。

層状剥離(ミルフィーユ状の剥がれ)

代表的な劣化症状の一つが「層状剥離(そうじょうはくり)」です。層状剥離はパリパリと剥がれ、パイのようになる症状です。屋根が剥がれてしまうと雨漏りにも繋がります。また屋根が脆くなり、落下の恐れがあるので大変危険です。

釘の腐食・劣化

次に釘の腐食や劣化も見られます。パミールを施工した際に使われた釘が錆びてしまうことがありました。これもパミール屋根に見られる特徴の一つです。残念ながら層状剥離と釘の腐食の両方が起こるケースもあります。その場合、早急にリフォームする必要があるので、できるだけ早く工事業者に依頼しましょう。

パミール屋根材の問題に気付くのは太陽光パネルを載せる時が多い

太陽光パネルを設置する際に、初めてパミール屋根材の問題点に気づくケースがあります。太陽光パネルを設置するために業者が屋根に上がったところ、パミールの屋根材がひどく劣化していたことが分かったのです。あまりにも劣化が激しいと太陽光パネルを載せることができません。劣化した屋根材の上に設置することはもちろん、劣化したパミール屋根そのものが危険だからです。このような状態で業者から太陽光パネルの設置を勧められたとしても、必ず断るようにしましょう。

パミール問題に対するニチハの対応とは

パミール屋根の問題点から、劣化した屋根材がいかに危険か分かりますよね。ここまで問題点が報告されているなら、ニチハが対応してくれるのでは?と考える方も多いと思います。実際どのような対応をしているのでしょうか。

アルマ材でのカバー工法を勧められる

対処法としてカバー工法を勧められることもあるそうです。アスファルトシングルのアルマ材のカバー工法を勧められたり、アルマ材を無償で支給されたりといったケースです。しかし対応の詳細は不確かなことも多く、支給の場合でも材料費を除く施工費は施主負担となっています。

建てた会社に相談するよう促される

住宅建材の保証については、建設会社やハウスメーカーに相談するよう促されるケースもあるようです。リフォームを依頼すると、屋根工事の費用が高くなる可能性があります。また施工してから年数が経っている場合、パミール屋根であっても保証は期待できないと考えた方が良さそうです。

パミール屋根のリフォーム依頼先の選び方は?

「パミール屋根をリフォームしたい」と思っても、どのような業者に工事を依頼すればいいのか分からない方もいるかもしれません。ここではパミール屋根のリフォームを依頼するのにおすすめの業者を紹介します。

屋根専門会社がおすすめ

パミール屋根のリフォーム依頼先には屋根専門会社がおすすめです。まず自宅の屋根がパミールであるかどうかを見極め、劣化状況も正確に判断する必要があります。修理は点検の精度が左右するといっても過言ではありません。できれば実績が豊富な屋根の専門会社に依頼する方が良いでしょう。ぜひ当協会にもお気軽にご相談ください。

屋根業者は2パターンある!板金工事会社に依頼しよう

屋根業者は主に「瓦屋根専門」と「板金専門」の二種類があります。パミール屋根をリフォームする際は金属屋根のカバー工法や葺き替えが一般的です。金属屋根は瓦屋根と比べて軽量で、経年劣化が起きにくくメンテナンスにかかる費用も抑えられます。作業によって屋根業者が異なるので、金属屋根は板金工事専門会社に依頼しましょう。

パミール屋根材の最適なメンテナンス方法は?

パミール屋根材はどのようにメンテナンスすると良いのでしょうか。これまで説明したようにパミール屋根材には多くの問題点がありました。最適な方法とその理由について詳しく紹介します。

パミール屋根に塗装はNG!

通常のスレート屋根であれば、古くなった屋根に塗装して強度や外観の美しさを保つことができます。しかしパミール屋根に至っては塗装しても剥がれてしまい問題点は改善されません。前述したように層状剥離の症状で、塗装しても外観はおろか屋根材の劣化も防げないのです。

カバー工法

メンテナンスには「カバー工法」を選ぶ人も多いです。カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を載せるため、費用が安く抑えられます。しかし屋根の劣化がひどく進行していると、カバー工法ができないので注意してください。またカバー工法をする際には「下葺き材」を貼ると防水に役立ちます。カバー工法の屋根材にはアスファルトシングルの「アルマ」が使えます。アルマはパミール屋根の対処法として以前にもニチハ株式会社から支給されたという情報があります(ただし正確な情報ではない可能性もあります)。アルマは化粧スレート屋根に比べて軽く、柔軟性にも優れています。ただより耐久性を求めたいなら、金属屋根の方がおすすめです。

葺き替え

カバー工法ができないほどパミール屋根が劣化している場合、葺き替えた方が良いでしょう。葺き替えでは劣化したパミール屋根材を撤去して、新しい屋根材に張り替える作業です。ただカバー工法と比べると費用はやや高めになります。屋根材には「ガルバリウム鋼板」「ジンカリウム鋼板」「アスファルトシングル」がおすすめです。ガルバリウム鋼板はサビや腐食に強い金属で、耐久性にも優れています。耐熱性や耐震性にも優れていて、コスパも良いことから人気の素材です。より高性能なものを選ぶならジンカリウム鋼板がおすすめです。金属屋根の表面に石粒をコーティングしており、傷が付きにくく高耐久です。ただガルバリウム鋼板と比べると価格はやや高めになります。アスファルトシングルは金属屋根より軽く、洋風なデザインが特徴です。それぞれ何を重視するかによって屋根材が変わるので、自分の好みに合うものを選んでください。

カバー工法と葺き替えどちらがおすすめ?

リフォームにはカバー工法と葺き替えのどちらが良いのでしょうか。カバー工法を勧められるケースも多いと思いますが、基本的には葺き替えがおすすめです。傷んだ屋根材を残しておくのは家にとっても良いとは言えません。また長期的に見ても葺き替えによって、屋根の品質を保てます。まずは自宅の屋根がどのような状況か見極めるためにも一度点検してみてはどうでしょうか。屋根の現状から適切なリフォーム方法を選んでみてください。

パミールとはノンアスベストのスレート屋根材。問題が多く現在は製造販売中止となっている

いかがだったでしょうか。今回はパミールの問題点と正しいリフォーム方法について詳しく解説しました。パミール屋根はニチハ株式会社から販売されたノンアスベスト屋根材ですが、問題点が多く明らかになりました。販売中止となった今でもパミール屋根による劣化が報告されています。まずは自宅の屋根がパミール屋根かどうか見極め、適切なリフォームをしなければなりません。劣化が進行している屋根は落下のリスクもあり大変危険です。屋根の劣化状況に応じて、正しく対処しましょう。

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全日本屋根パミール診断士協会(JPC)はパミール屋根の専門業者なので、修理に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。
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