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2023-03-02

パミール屋根のカバー工法を徹底解説!注意点や葺き替えになる場合も紹介

パミール屋根の家にお住まいでカバー工法を提案された方も多いのではないでしょうか。そもそも「カバー工法って何?」「なんでパミール屋根は塗装できないの?」「カバー工法の費用が知りたい」など、気になる点も多いと思います。今回はそんな疑問にお答えすべくパミール屋根のカバー工法について徹底解説しました!カバー工法の注意点や葺き替え工事が必要なケースも含めて説明します。ぜひ最後までお読みいただき、メンテナンスの参考にしてみてください。

パミールは塗装ができない!カバー工法か葺き替えの2択

まずパミール屋根は塗装ができません。一般的なスレート屋根は少し古くなっても塗装で寿命を伸ばすことができます。しかしパミールは特殊な製造方法により、劣化すると屋根が剥がれてしまうため塗装しても意味がありません。パラパラと剥がれ落ちるので、上から塗装しても改善されないのです。そのためパミール屋根をリフォームする場合、「カバー工法」か「葺き替え」の二択になります。それぞれどちらの方法がパミール屋根のメンテナンスに適しているのでしょうか。最適な方法を選ぶためにも、まずはカバー工法と葺き替えの違いを知ることが大切です。

カバー工法とは?

カバー工法とは「既存の屋根の上に新しい屋根を載せる方法」のことです。反対に葺き替えは古い屋根を撤去して、新しい屋根を設置する方法です。つまりカバー工法でパミール屋根は撤去しません。屋根を撤去する工程を省くため、葺き替えに比べて時間やコストの節約ができます。このカバー工法は実際にどのような手順で行うのでしょうか。

パミールのカバー工法の流れ

カバー工法は以下のような手順で行います。一見シンプルな流れですが簡単ではありません。適切なカバー工法ができれば、屋根の寿命を伸ばすことができます。また使用する建材や施工方法によっても屋根の耐久性は変化するでしょう。カバー工法の流れから、各工程の目的や注意すべき点も含めて解説します。

①板金をはずす
棟に取り付けられている板金(棟板金)を外します。棟板金の下地も併せて取り外す必要があります。もし雪止め金具があればカバー工法の邪魔になるので、こちらも撤去しなければなりません。

②防水シートを敷く
防水シートを敷くと結露や雨漏りを防ぐことができます。屋根材にも防水機能はありますが、新しい屋根材の下に防水シートを敷くと高い防水効果が得られるでしょう。防水シートには様々な種類があり、品質に応じて費用も変わります。屋根に適した防水シートを選んでください。

③新しい屋根材を葺く
屋根材によって機能性が大きく異なります。詳細は「カバー工法におすすめの屋根材」の段落で紹介するので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

④板金や金具を取り付ける
仕上げに使用する板金や金具は腐りにくいものを選びましょう。留め具に関してもサビにくい素材を選べば、屋根そのものの耐久性も上がります。

パミールのカバー工法にかかる工期は?

カバー工法の工期は1週間〜10日間ほどが一般的です。葺き替えでは古い屋根を取り除く作業がありますが、カバー工法は古い屋根を撤去せずに新しい屋根を載せます。そのため葺き替えよりもカバー工法は工期が短いです。

パミールのカバー工法にかかる費用目安は?

カバー工法の費用は80〜150万円ほどが一般的です。ただ使用する屋根材によって費用は変わります。もし費用が気になる方は、事前に点検や見積もりを依頼すると良いでしょう。業者ごとに費用を比較して、最適なプランを選んでください。

【パミール屋根】カバー工法のメリットは?

カバー工法にはどんなメリットがあるでしょうか。主に費用や工期、機能性の面で良い点を三つ紹介します。

屋根の撤去費用がかからないので安価

メリットの一つは安価な点です。屋根の撤去費用がかからないため、葺き替え工事よりコストを抑えられます。前述したようにカバー工法は80万〜150万が相場です。一方で葺き替えの場合、100万〜200万円ほどかかります。撤去費用だけでなく廃材を処分せずに済むため、リフォーム方法によって費用に差が出るようです。

屋根が二重になるので断熱性がUP

二つ目は屋根が二重になるので断熱性が上がる点です。断熱性は熱を防ぐ効果があります。古い屋根材の上に被せるため外からの熱が家に入りにくく、屋内の暖かさは外に逃げにくくなります。また新しい屋根材に断熱効果が高いものを選べば、更なる断熱性が期待できるでしょう。

工期が短い

三つ目は葺き替えよりも工期が短い点です。撤去する工程がないため、その分早く修理が終わります。ただ使用する屋根材や作業する人数、天気に応じて工期は変化するでしょう。

【パミール屋根】カバー工法のデメリットは

つづいてカバー工法におけるデメリットにはどんな点があるでしょうか。カバー工法で考慮すべき点を三つ挙げました。それぞれメリット・デメリットの両方を比較してから、最適な方法を検討してみてください。

劣化が激しい場合は葺き替えになる

デメリットは劣化状況によってカバー工法が選択できないことです。カバー工法にしたいと思っても屋根の劣化が激しい場合、葺き替え工事になります。既存の屋根の上に新しい屋根を被せても、古い屋根材が水を含んでいたら雨漏りに繋がるからです。あまりにも築年数が古い場合も注意してください。せっかく工事をしたのにすぐ劣化してしまった、なんてことのないようにパミール屋根の現状に適した工法を選びましょう。

屋根が重くなる

二つ目のデメリットは屋根が重くなる点です。古い屋根と新しい屋根が二重になるので、家に負荷がかかります。多少の重さであれば耐震性に影響しませんが、あまり屋根が重いと地震の際に大きく揺れる可能性があります。もし心配な方は新しい屋根をなるべく軽量なものを選ぶと良いでしょう。

劣化した屋根材が残る

三つ目のデメリットは劣化した屋根材が残る点です。パミール屋根は設置後数年で激しく劣化し、剥がれてしまいます。カバー工法で見た目は綺麗になっても中には傷んだ屋根材が残ることには変わりません。気持ち的にあまり残したくないと思う方はカバー工法ではなく、葺き替えでパミール屋根を撤去した方が良いでしょう。

パミールが葺き替えになるケースはどんなケース?

ではパミール屋根を葺き替えるのはどんなケースでしょうか。コストや工期の面でカバー工法にしたいと考えても、屋根の症状によってはカバー工法を選択できない場合があります。具体的にどんなケースになるのか詳しく説明します。

屋根材が固定できないほど劣化している場合

まず屋根材がひどく劣化している場合です。カバー工法では新しい屋根材をパミール屋根の上から固定しますが、パミール屋根がずれたり剥がれたりしていると新しい屋根を固定できません。これだとカバー工法ができないため葺き替え工事をすることになります。

耐震に不安がある場合

耐震に不安がある場合もカバー工法はお勧めできません。屋根を二重にする工法のため、どうしても屋根部分の重量が重くなります。このように屋根の重量が重ければ重いほど、建物の重心が上がり地震時に揺れやすいです。反対に軽い屋根は重心が下がり揺れにくい傾向にあります。そのため家の耐震性に不安がある場合、カバー工法はあまりおすすめできません。ただ金属屋根であれば瓦屋根と比べて軽量のため、カバー工法でも対応できます。心配な方はどの屋根にすれば良いか業者に相談してみてください。

雨漏りが発生している場合

また雨漏りする場合もカバー工法はNGです。パミール屋根に水分が含まれていると、カバー工法をしても雨漏りを発生してしまいます。すでに雨漏りしているかどうかに関わらず、パミール屋根は注意が必要です。まずは自宅の屋根に水分が含まれているかどうか点検してみましょう。

パミール屋根のカバー工法におすすめの屋根材

カバー工法にはどんな屋根材が適しているのでしょうか。おすすめの屋根材を三つ紹介するので、屋根材の特性から選ぶ際の参考にしてみてください。

コストも性能も安心!ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は人気が高い屋根材です。錆びにくい素材で耐久性の高さが評価されています。さらに安価なためコスパの良さで選ぶ方も多いです。現在は断熱材一体型の製品も販売され、当初よりも断熱性や遮音性に優れています。ガルバリウム鋼板は金属屋根のなかでも様々な面でバランスの取れた屋根材と言えるでしょう。またスタイリッシュな見た目も人気の理由です。最近ではデザインの種類が増えて、製品の幅が広がりました。デザインの多様さから、洋風・和風問わず家の雰囲気に合いやすいです。

耐久性・デザイン性が高い!ジンカリウム鋼板

ジンカリウム鋼板も人気が高い建材です。ガルバリウム鋼板と違って、表面に石粒コーティングがされています。そのため傷がつきにくく、他の金属屋根よりも錆びにくいです。実はジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板は同じ素材でできています。名称は異なりますが、配合の割合もほとんど同じなので耐久性にそこまで差がありません。ジンカリウム鋼板の耐久年数はおよそ30年〜50年と言われています。また石粒コーティングのおかげで断熱効果が高く、デザイン性にも優れています。ジンカリウム鋼板のデメリットは費用がやや高いことです。輸入製品が多いため、比較的安価なガルバリウム鋼板と比べると少し高めの価格になります。

海外の定番!アスファルトシングル

アスファルトシングルは海外では定番の屋根材です。主に欧米圏でよく使用されています。アスファルトシートの屋根は柔らかく、様々な形状の屋根に対応可能です。また一般的な金属屋根よりも錆びにくく、耐久性にも優れています。屋根自体が軽いため、他の屋根と比べて地震の際も揺れにくいです。アスファルトシングルは色やデザインの豊富さからも人気があります。表面に石粒を吹き付けてコーティングしているので、色やデザインの種類が豊富です。洋風な見た目が好きな人だけでなく、和風なデザインを好む人にもおすすめです。

パミール屋根のカバー工法はコスパが良いがデメリットも!葺き替えになるケースもあるので注意

いかがだったでしょうか。今回はパミール屋根のカバー工法について詳しく解説しました。カバー工法はコスパの良さや工期の短さから、パミール屋根のリフォーム方法として提案されることが多いです。しかしパミール屋根の劣化がひどく進行しているとカバー工法では対応できないことがあります。耐震性や雨漏りの心配がある場合、葺き替え工事が必要です。まずは現在の劣化状況を知り、カバー工法と葺き替えのどちらが適しているかを判断しなければなりません。一度点検してから適切な方法を選び、メンテナンスすることが大切です。屋根の種類も建材によって様々な特性があるので、何を重視するか決めておくと良いでしょう。

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